"Educating Artists For the Future"(Intelect Books, UK)という本(「未来のアーティストを教える」というのもベタなタイトルなのですが)があって、世界のいろいろな芸術系大学、学部の教員などが書いているものです。それに共通しているのは、大きな変化のなかでいかにダイナミックに芸術系学部、とくにアートやデザインの新しい教育分野が変わっていくのかということで、それは教員自身もどんどん考えを新たにしていくかということです。
ここのところ若手の教育者たちによって新しい技術(例えばprocessingやarduino)が開発されていて、そういう開発者たちのコメントを見ていると、この10数年あたりのなかでも新傾向というか新しい態度みたいなものが現れていると思います。
ところでホールアースカタログを1960年代に出版し、カウンターカルチュアの考えで人々の意識を大きく変えたスチュアート・ブランドにHow buildings learn:what happens after they're builtという本があります。この本は、「建物はいかに学ぶか:建てられてから何が起こるのか」というタイトルが示すように、建物が時代を経てどのように変容していくかを述べたもので、一つの建物が所有者が変わったり、その他の経済や社会的な事情によって形状や機能が次々に移り変わっていく様を実例を出して述べていて、建築論としてもとてもユニークなものです(和訳されていませんが)。建物も学んでいるというものですからね。
東京造形大学のカフェテリアが、いまCS-Labとしていかに変わっていくのかというのは、とても興味深いものです。こういうプロセスにデザインやアートのエッセンスを感じることができるのではないでしょうか。そしてそのプロセスに学生が深く関わっているのは、あらゆる大学の建築物としてもとってもユニークなことだと思います。
「旧カフェテリア」も学習中。
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